咲々楽 - ささら - 2026 第3号

音楽療法を担当する指田 美知代さんは、開始直後から皆さん の“スイッチが入る瞬間”が分かると話します。歌詞を見なくても 楽しそうに歌い始めたり、クイズに元気よく答えたり、普段は消 極的な方が音楽をきっかけに大きな声を出すこともあります。 楽器演奏では、手が不自由な方でも『1音だけでも一緒に楽し める方法』を探しながら寄り添い、スタッフと協力しながら音を 鳴らすことができた瞬間の笑顔がとても印象的だと言います。 「その1音の積み重ねが、参加する意欲につながっていると感 じています」 音楽療法の現場で見られるいきいきとした変化 音楽療法士として忘れられない瞬間 指田さんが音楽療法士を志したのは、お母さまが認知症になった ことがきっかけ。さまざまな事業所を回る中で、船橋グループホーム でも音楽の力を日々実感していると言います。中でも忘れられない のは、寝たきりのご入居者が演奏に合わせて足の指でリズムを刻 んでくれた瞬間。「音楽は人の中の“何か”に確かに届く──そう 強く感じました」表情が変わる、声が出る、記憶がよみがえる、周囲 との会話につながる…。その一つひとつが大きな喜びであり、スタッフ の細やかなサポートがあるからこそ療法が成り立っていると、深い 感謝の言葉も寄せられました。 事業所にもたらす価値とは 音楽療法はご入居者の心身を活性化するだけでなく、ご家族にとっても 大きな安心材料になっています。 「今日はこんな反応があったんですよ」と、そんな日々の小さな変化を伝え られるのも、音楽が皆さんの力を引き出してくれるからこそ。そして、ご入居者 の笑顔や反応がスタッフの達成感、モチベーションにつながり、お一人 おひとりに寄り添った音楽療法が実現できていると指田さんは語ります。 「スタッフと一緒になってご入居者を支えられることを嬉しく思っています」 私たち 親子です! さぁ! 歌うよ~! 6 音楽療法とは: 音楽を意図的・計画的に用いて、心身の健康や生活の質(QOL)の向上を目指す治療・支援法。 音楽がもつリズム・メロディ・ハーモニー・歌詞などの特性を活かし、感情・身体の動き・記憶・コミュニケーション に働きかけます。医療・福祉・教育などの現場で、専門的な知識と技術を持つ音楽療法士がご対象者の目的に 合わせて実施します。 音楽療法士 指田 美知代

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